アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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需要が非常に少なそうなスイスお役立ち情報 

どうやらスイスは日本人に人気の観光地であるらしい。

そこで今回は私がスイスに住んで失敗したことをご紹介し、おこがましいが私のような被害者を減らすのに貢献したい所存である。


1、電車にまさかの降車ボタン

観光地であれば心配ないと思うが、もしも旅行中に素敵なスイス人男性に出会い、田舎に住む彼の家を一人で訪ねることになったら思い出していただきたい。
田舎で電車に乗るときは、降車ボタンを押さないと止まらない駅があることがあるのでご注意を。
ある日、友人宅へ向かおうと私の住む町よりのどかな方面へ電車で向かっていた。
ボケーッと車窓からの風景を眺めていると、あっという間に降車予定の駅の一つ前の駅に到着した。

よし、次だな。

私は荷物をまとめ降りる準備を始める。
そこで次の停車駅名を告げるアナウンスが耳に入った。
「arrêt sur demande」と聞こえた。
これは『リクエストにより停車します』ということで、知らせなければ次の駅には止まらないのだと咄嗟に悟った私は車内を見回した。
バスの降車ボタンのようなものがあちこちにあるのかと期待したが見当たらない。
そしてドアの側にあるドアの開閉ボタンを押して知らせるのだと気づき、ニンジャの如く素早くドア付近に走りよりボタンを押した。
ほっと安心したのもつかの間、電車は私の降りたかった駅をあっさり通過した。
窓の外には私を駅まで迎えに来てくれていた友人がポカンと大口を開けて通過電車を見送るのが見えた。
どうやら私がボタンを押したタイミングは遅かったらしい。

田舎なので電車の本数も少なく、結局私は本来降りたかった駅の次の駅で降り、10分ちょっと歩いて一駅分戻り、友人と会うことができた。

「ごめんごめん、もう自分は慣れちゃってたから言い忘れてたわ」
謝る友人。
「言い忘れないように言っとくけど、帰りも駅にあるボタンを押さないと止まらないから気をつけてね」

なるほど、バスのように運転手から見える位置でブレーキかけても間に合うワケがない。

そして帰る時間となり駅に着いた。
噂のボタン発見。
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これ、行き先が書いていない。
土地勘が無い上に超の付く方向音痴な私。
恥ずかしながら自分がどちらの方面から来たのかわからなかった。
そして本数が少なくなんと線路も一本。
どっちから電車が来るかもわからない。
日本では駅名の看板見れば前後の駅名とか小さく書いてあるが、そんなの無い。

(みんな田舎っぺは町の方へ行きたいはず。)

それだけを信じて押され過ぎて穴の開いたボタンを押し、祈るような気持ちで電車を待った。
私のボタン正解だった。


2、証明写真機を見たら詐欺師と思え

こちらも旅行中に証明写真を撮る機会はあまりないかもしれないが、出会った素敵なスイス人男性があなたにもっとスイスにいてほしいから長期滞在できるビザを申請してくれとお願いしてくるかもしれない。
そのために証明写真が必要になったらぜひ思い出していただきたい。

私の場合はスイスで公共交通機関の運賃がすべて半額になるカードを購入する際に写真が必要になった。
(※スイスの交通機関の運賃は馬鹿高いので、旅行でも滞在日数によるがこのカードを購入したほうがお得になることが多い。)
そして駅に設置されている証明写真機に入る。
値段はたしか10年前で7フラン、日本円で当時約700円だった。
私はお札を入れる場所に10フランを入れた。
3フランのお釣りが出てくるのを待つが、出でこない。
お釣りを出すためのボタンやレバーを探すがそれも見つからない。
その代わりに発見したのは『お釣りは出ません』と書かれた案内。
その直後に撮った写真、私の眉毛がハの字に下がっていたのは想像に難くないだろう。

21世紀ですよ皆さん。
スイスの技術者お釣り出せるでしょうよ。


3、自動販売機は信用するな

あなたの出会った素敵なスイス人男性が、一緒にいるときに「実はもう何日間も水を飲んでいない。喉がカラカラなんだ。でもあいにく100フラン札しか持っていなくて」と言ってきたら思い出していただきたい。
スイスの駅などで見かける自動販売機は札は入れられないものがほとんどで、小銭を入れたとしてもポンコツで買えないことが多いことを。
私も何度泣き寝入りしたことか。
お金を入れても商品が出てこないため大人げなく販売機に飛び蹴りしている人を見たこともある。
(この光景、パリにいたときはスイスの5倍は見た。機械のポンコツ度も高いし人々の自由度も高い。)
そして悔しい思いをし、もう2度と自動販売機なんて使うものかと思うのにやってしまう。
そのシチュエーションはほぼ決まっている。
電車の時間に間に合うかギリギリだから駅まで走って行き、発車時刻より2分くらい前についてしまったときについつい水が飲みたくなって小銭をブラックホールに投げ込んでしまうというパターン。
もちろん確率的には問題なく買えるときのほうが多いので、お金に余裕のある方はちょっとしたギャンブル感覚で楽しんでしまうのもアリかもしれない。

ちなみにヨーロッパでは日本のようにいたるところに自動販売機があるわけではない。
先日ウチに生まれも育ちもスイスの子供たちが遊びに来た。
彼女たちにとって日本の自動販売機で飲み物を買うことはとても楽しいらしく、自販機を見るたびに父親にジュースをせがんでいた。
彼女たちとの外出時間の大半はジュースとトイレに費やされた。

ついでにスイスでは駅の公衆トイレも有料なことが多いので、タダで行けるトイレを見たら絞り出しておくことをお勧めする。


以上、スイスへ旅行する際に気をつけてほしいことをまとめてみた。
誰かのお役に立てればこれ幸いである。

そして、どんなにハンサムでも小銭をせびってくる見知らぬ男性にはついていかないことも併せてお気をつけ願いたい。

それでは皆さん、楽しいご旅行を!
(本気でスイス行く人はこんなブログ見ないって思ってても言わないで)