アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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府中競馬場に子連れで行ってみた 

姉夫婦に誘われて府中競馬場に行くことに。

私は今まで競馬とは縁のない人生を送っていたが、姉の旦那さんの趣味が競馬。
最近は競馬場に公園感覚で子供を連れて遊びに来ている人が大勢いると言うので試しに行ってみることにした。
メンバーは私たち家族4人と姉夫婦2人、そして友達夫婦2人。
この友達♀も元彼が競馬好きだったので競馬を嗜む。


朝の9時半。
おそらく降りるのは人生で初めてのJR府中本町駅
我々が目にしたのはたくさんのおじさん(予想通り)。
そして若いカップルや親子連れ。
なるほど、競馬を見に行く人全員が手には競馬新聞、頭にはキャップ、耳には鉛筆という私の中のステレオタイプは早くも払拭された。

そして駅から競馬場までの通路には大きな荷物を携えて列をなす人がポツポツと。
何と翌日のヴィクトリアマイルという大きなG1レースの為に既に並んでいる人がいた。
初競馬場の我々びっくり。
今日(土曜日)のメインレースはG2京王杯スプリングカップで、朝から駅にはそこそこ人がいたがG1レースのときは比べ物にならないほどぎゅうぎゅうに混雑するらしい。
(姉の旦那さんに質問すれば何でも教えてくれる。)


初めて入る競馬場。
感想は、どでかい。


まだ朝なのでガラガラ。



そして子供たちが遊べる公園やアトラクションが広い場内のあちこちにあり、競馬場らしく馬との触れ合いコーナーも充実している。
スイスでも馬はたまに見ていたが、ここの馬たちは同じ動物とは思えないスタイルと毛並みのよさ。
あまり動かなかったのも手伝って、遠目から見たときは作り物かと思った。


姉が私たちを誘ってくれたのも納得である。
そして食べ物もよりどりみどり。
常設されているものだけでも有名チェーンのカレーや丼からラーメンや軽食に何でもある。
そして今はちょうど沖縄フェスティバルが開催中。
競馬に興味がない人でも食べたり飲んだりするのが好きな人なら存分に楽しめる。


私たちは芝生の近くに陣取った。
ここならゴロゴロ飲み食いしながら周りを走る馬が見れる。


気づけばもう10時。
本日の第一レースが始まる。
ファンファーレが聞こえ、数秒後に人生で初めてナマで全力疾走する馬の群れを見た。

テレビで見たことはあったが、実際のそれは想像していたよりだいぶ速い。
なんかすごいかっこいいぞ。

私は子供を遊ばせる目的で来ていたのを思いだし、一応長男を近くのアトラクションに連れていく。
姉も付き合ってくれた。

滑り台はその高さにビビったのかやりたがらず、となりにあった時間制限が1分半と子供を泣かせるためだけの時間設定になっているトランポリンで遊ばせる。

陣地に戻るとそこには寝転がってリラックスしているように見えるのに首から上だけ別人のように真面目な顔をして競馬新聞を睨む義兄(アニキ)。
となりには朝から缶酎ハイで顔が赤くなってしまっているが、これまた目を見開いて新聞を凝視する友人。
なんだかビニールシートの上の空気が張り詰めている。
ありがたいことに初心者の我々にもアニキと友人が優しく解説してくれるので、うちの旦那は予想してみる気になったらしく馬券を買いに行った。

私は馬券を買う予定は無かったが、ビールを飲んだり走る馬を見たり周りの話を聞いているうちに予想してみたくなってきた。
メインの11レース、京王杯スプリングカップの馬券を買ってみよう。
馬券を購入するにはマークカードというものに記入しなければならない。
適当に記入してアニキに確認してもらう。
私は競馬の予備知識がないので、競馬新聞を見て人気がありそうな武豊が乗る馬と、なんとなく外国人を応援しようかと思い、フランス人騎士ルメールが乗る馬の単勝複勝の券を買った。
旦那がフランス人のやる気を心配していたが、今日すでにルメールは勝っていたのでこのフランス人大丈夫そう(何様)。

昼寝する次男で馬券を温めて謎の願掛け。


ファンファーレがなり、みんなトラックのまわりに集まる。

各馬一斉にスタート。
モニターを見ているとフランス人が徐々に前に出てきていた。
ゴール地点の手前で馬が見える位置で見学していたが、走り去る先頭集団にフランス人の馬の姿が見えた。

きゃあああああ!!

銅製のヤカンのように熱くなりやすい私は思わず叫んだ。
後ろの客席のほうからはどよめきや歓声が聞こえていたが、この辺で叫んだのは私だけのようだった。

「フランス人が勝ったかも。」

はしゃぎながら近くにいた旦那に近づくと彼は心配そうな眼差しで私に言った。

「あなたやばそう、あまりそう(はまりそう)」
(フランス語ではHを発音しないので旦那のハヒフヘホはアイウエオになりやすい。)



結果はやはりフランス人の馬が1位。
武豊ダンスディレクターというステキな名前の馬は15位に終わった。

私は980円の払戻金を手に入れた。
もうさっき400円払ったことなんて忘れていた。

あまる素質はありかも、あたし。

私はただ”子供のために競馬場にいった母親”だった。今日の昼過ぎまでは。

もう競馬場へ行くのは誘われたときだけにすると心に決めた。

G1レースの盛り上がりも体験してみたいな。
今ごろ凄いことになってるんだろうな。



次はいつ誘ってもらえるかな。