アルプスから高尾山

国際結婚しスイスに5年住んで帰国した主婦が日本とスイスのギャップに弄ばれる

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亭主元気で何がいい?

私の旦那は出張で家を空けることがある。
期間は大体1週間前後、頻度はまちまちだが2ヶ月に一度くらいだろうか。

そして今日はまさに旦那が留守の夜。
旦那が家を空けることで様々な変化がある。

1、夕飯に手を抜ける

旦那は食事にうるさいタイプではないが、やはり一家の稼ぎ頭を労うべく主菜、副菜、汁物、主食は食卓にそろえる。
これが子供と私だけだとどうなるか。
あるときは白米にみそ汁、あとは納豆、目玉焼き、のり、キムチなど、一気に旅館の朝ごはん化する。
そしてまたあるときは、パスタや焼きそばなど、一品ドーン+野菜のスープで済ませる。
使う皿も少なくし、後片付けまでとことんラクに済ませようとする。

2、洗濯物の量が減る

人一人分減るのだから当たり前だが、旦那は体が大きいので服も大きい。
彼1人分の服が減っただけで洗濯機にかなりの余裕が生まれる。
何なら毎日している洗濯が2日に1度で済むかもしれないが、ここぞとばかりにシーツや毛布など大物を回しまくる。

3、家の中が静か

これは旦那がおしゃべりなタイプな訳ではない。
おしゃべりな私が話す相手がいなくなって話さなくなるため。
長男もよく話すが、いつもは私と旦那の会話に割り込むことが彼のモチベーションになっているため、自分が自由に話せる環境だと普段より話さなくなる。
人間の無いものねだりは3才児ですでに始まっているようだ。

4、鏡を見る時間が増える

いつもは自分の顔をゆっくり見る気にならない私だが、旦那がいないとなぜかスキンケアをいつもより念入りにしたくなったりする。
それにしてもシワやシミに悩み出す日がこんなに早く訪れるなんて25歳のころは考えてもみなかった。
SK2は50代のためのスキンケアかと思っていた。
使ってみたいけど無職の私は旦那の金で買うのに抵抗があるので未だピテラ未体験。




こんな感じで旦那の留守もなかなか悪くないのだが、あまり長く留守にされると困る。
以下理由。


①晩酌の相手がいない

ビールが大好きな私は1人でも飲むが、やっぱり誰かと乾杯してから飲むビールはより美味しい。


②愚痴を言える相手がいない

朝から晩まで子供2人と過ごせば事件の1つや2つ起こるものである。

今日は長男のオシッコがトイレからはみ出て掃除が大変だったんだよ。

次男のオムツを替えようとしたらウ◯コしてて、私の着てたパーカーのヒモがオムツの中に垂れちゃって汚れたよ。
油断してたわー最悪だー。

とか、これどっちもノンフィクションで今日起こったことだし誰かに聞いてほしいし、お疲れ〜大変だったね〜と言ってもらえるだけでもうちょっと頑張ろうと思える。


③子育てを手伝ってくれる人がいない

何を隠そう旦那は育メンである。
ズボラな私を見かねてか、自らどんどん動くので本当に助かっている。
子供と遊ぶだけでなく、オムツ替え、食事、着替え、歯磨き、寝る前の読書タイムだって誰かに給料もらってんの?ってくらい気持ち込めて登場人物ごとに声色変えて読む。


④喜びを分かち合う相手がいない

例えば今日は10カ月になる次男がバイバイをし始めた。
とってもかわいいのに、一緒に喜んでくれるはずの旦那はいない。

しかもバイバイの仕方が両手を顔の高さまであげて手首をクルクルと回す、そう、柳沢慎吾のサイレンそのものなのだ。

いや、残念ながらこれは旦那がいても分かち合えないだろう。
日本の文化に精通している外国人はたくさんいるが、柳沢慎吾を知っている外国人はどれくらいいるのだろうか。


以前、スイスで日本が好きだというスイス人青年に会った。
ジュネーブ大学で日本語を専攻したそうで、とても流暢に敬語で私に話した。
そんな彼はつい先日まで日本全国を旅行していたらしく、旅先での出来事や日本人の優しさについて私に熱く語り、それは私を大いに喜ばせた。
そろそろお別れの時間となり、彼はキラキラした笑顔で私に挨拶した。

「お話できて良かったです。
ありがとうございました。


アバヨっ!」


日本で高度な挨拶を仕込まれて帰ってきた彼。

教えた人はギャグならギャグだと教えてあげて欲しかった。

挨拶として教えたならどんな人にどのような場面で使うべき言葉なのかを教えることを怠ってはいけなかった。


あまりに予想外の展開にフリーズしてしまった私は、彼にその言葉のもつ力の大きさについてきちんと説明してあげることができずに彼を見送ってしまった。


傍観者は共犯者。

彼の行方は誰も知らない。

ハーフあるある②

最近は何かとチヤホヤされることが多いハーフという存在。

これはテレビで活躍するハーフのモデルやタレントの方々のおかげではなかろうか。

今はとっくに成人しているハーフの方で子供の頃は学校でいじめられたという話を聞くことも珍しくない。 

私と旦那も将来の子供たちの境遇をちょっと心配している。

 ご存知な方もいらっしゃるかもしれないが、私はよく旦那が外国人であることをネタにしている。

 

つい先日もこんなことがあった。

結婚式に着る服は黒いスーツにすべきか、柄が入ったものでもいいのか悩む彼。

意見を求められた私は、

「外国人だから柄モノでもいいんじゃん?」

と言ってしまった。

 すると旦那は、

 

「◯◯(息子)も今後そういう目で見られるんだよ」

 と、ぴしゃりと言われてハッとした。

 

私は息子たちが日本人の親を持ち日本語を話すことを知っている。

でも周りの人は彼を外国人として見ている。

 

ここでハーフあるある~ 

息子がよく言われるセリフ。

  

「日本語上手ねぇ!」

  

いや、日本人なんで。

 私が隣でつぶやいても聞こえないおばさま方もいらっしゃる。

 ハロー!サンキュー!

バーイ!

 知っている英単語をフル活用される。

 私たちは夫婦別姓なので名前だって日本の名前なのに、わざわざ英語風に発音されたりする。

  

スイスの国際色の豊かさが懐かしい。

街中はもちろん、保育園にも様々な国から来た様々な人種の子供たちがいた。

 

ここにいると違うことが目立ち過ぎる。

目立つのは仕方がないにしろ、それに毎回のように強く反応されると本人たちも疲れるのではないだろうか。

 先日も、長男が公園で遊んでいると通りすがりの子供たちが長男を見て叫んだ。

 

「あ!外国人だ!!」

 

 まだ長男は外国人の意味がわからないので何も反応しなかったが、このことについて質問される日がそのうちくるだろう。

 なんと説明すればよいのか。

 

「いや、あなたは日本人だよ」

 

「あなたは日本国籍をもっているから外国人ではないんだよ」

 

「あなたのお父さんは外国人だから、あなたも半分は外国人なんだよ」

 

 ぜーーーーんぜんしっくりこないぞ。

 

 「日本人だよ。そしてお父さんがスイス人だよ。だからハーフだよ。」

 彼は日本国籍があるので、日本にいたら決して外国人ではないのだ。

 だからやっぱりハーフという言葉に落ち着く。

ハーフという呼び名に対しても『半人前』みたいで差別的という意見も聞くが、ハーフ&ハーフってことで、うっかりピザになってしまったが、間違いではないと個人的には思う。

私の好きなハーフのモデルは自分をミックスと言っていた。

それもわかりやすい表現だと思う。

ミックスピザってのもあるしね。

どうやらハーフとピザは切っても切り離せない関係のようだ。

 

 

ハーフの人たちがアイデンティティを確率できずに悩む話はよく聞くが、スイスではそのような話はほとんど聞かない。

ヨーロッパでは混ざっているのは当たり前だから。

逆に、「私の先祖はひいおじいちゃんの代からみんなスイス人です」なんて人を探すのは非常に難しいらしい。

(ヨーロッパであまりに遡ると国の成り立ちやら政治的な話になってしまうが。)

うちの旦那はイギリス人のクォーターだが、わざわざ自己紹介で「私はイギリス人のクォーターです」なんて言わない。

ルーツを聞かれたら答えるが、私も知り合ってから数年後に知った。

 

でも今の日本では、西洋人とのハーフは見た目のインパクトが強く、初対面の人には何か言わないと相手は気になるのではないだろうか。

私だったらきっと気になる。

 

「どうもこんにちは〜、ハーフの◯◯でーす」

 

これじゃ漫才師の挨拶みたいだ。

 

 

 

幸か不幸か日本という島国に生まれてしまった私。

そして外国人と国際結婚。

 

ハーフが増加傾向にあるとはいえ、まだまだマイノリティ差別は存在する。

 

今のところ子供を連れて歩いて差別的な態度をとられたことはなく、むしろ友好的に話しかけられることが多い。

ハーフの子供あるある① - アルプスから高尾山

 

 

そしてイギリス人クォーターで4分の3はスイス人な私の旦那だって日本で外国人差別を受ける可能性は十分にあるが、今のところ、上野でおっちゃんに財布をスラれたことはあっても、ひどい差別を受けたという話は聞いていない。

 

この理由を私は以下のように考察する。

 

1、 日本語が堪能なため親日家と思われること

 

2、 なで肩で猫背気味なため、腰が低く”良い人”のように錯覚されること

 

 

 

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せっかく日本に来たしと 4月なのに海水浴をする70歳の義父がサーファーと衝突しないか心配で家族揃って見守るの図。

 

 

これからも家族みんなで協力し合い、差別とスリに負けず、力強く生きていこうと心に誓った春の朝。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼稚園の先生の声

先日、幼稚園の入園式にスイス人の義理の両親と一緒に参加した。


彼らは初めて日本の幼稚園というものを目の当たりにする。
我が子が通う園は比較的新しいこともあり、その施設の綺麗さに感動した。


そしてその数分後に始まった入園式で、先生たちが自己紹介をするのを見て驚いた。


「かなり特徴的ね。特に若い女の先生たち」



何に驚いたのかお分かりだろうか。

それは先生たちの声の高さと話し方だった。



私はこの2、3ヶ月の間にちょこちょこあった幼稚園の説明会やお試し保育の日のおかげですっかり慣れてしまったが、やはり最初は彼女たちの甲高い声と演技がかった言動に驚いた。

いや、正確に言えば反射的にゾワっとした。
すいません。



『おかあさんといっしょ』でうたっている歌のお兄さんとお姉さんを想像していただけると私の言わんとしていることがお分かりいただけると思う。


幼稚園によってもそれぞれカラーがあるとは思うが、我が子の通う園は若い女性の先生が多いせいかキャピキャピ感が否めない。

中には歌のお姉さんよりもかなりブリっ子寄りな先生も。





私もずっと日本にいたら何とも思わなかったに違いない。

しかしスイスで長男は保育園に通っていた。
そこで働く保育士たちは、日本の保育園や幼稚園で働く先生たちとちょっと雰囲気が違った。




1、アニー(全て仮名)

黒髪ニュアンスショートが似合う女性。
推定年齢34歳。
他の保育士よりちょっと年上でお姉さん的存在。
低めな声で気だるそうに話す。
休暇はインドへ旅行。
たぶんヒッピー。
巻き煙草愛好家。




2、メロディ

小柄な女性で髪の毛はシルバーの刈り上げ。
ネイルも派手目。
推定年齢27歳。
声は高めで子供と遊びながらきゃっきゃと笑うのがかわいい。
叱るときはほっぺを膨らませて手を腰にやるベタなポーズをとる。




3、ファビアン

いつもニコニコした色白で黒髪でブルーアイ、まつ毛クリクリの男性。
推定年齢29歳。
話し方は柔らかくおっとり。彼自身も若いパパで6歳くらいの娘がいる。
子供たちに本を読むときだけ人が変わる。
カツラまで被って一人芝居。




4、ミゲル

黒髪で黒目がちな青年。恐らく最年少の推定22歳。
はじめは研修中だったが途中から本採用に。
ある日突然、ブルーハワイみたいな髪色になって出勤。
コメントに困り目が合わせられなかった。
旦那は彼は日本のアニメファンに違いないと決めつける。



5、ソフィア

日替わりでお洒落なワンピースを着て、よく大ぶりなかわいいピアスをぶら下げているイタリア人の女性。
年齢不詳。
声が大きく、話すときの顔の距離が思わずのけ反ってしまうほど近い。
たまに息子がアンディアモ〜とイタリア語っぽいことを言うのは彼女の影響。
話が盛り上がってくると、相づちがイタリア語になる。




以上、日本の保育施設じゃあまりお目にかかれないようなバラエティに富んだキャラクターが揃っていた。



みんなとっても自然体。
アットホームな雰囲気で保育士たちもみんな仲が良さそうで、私はこの保育園をとても気に入っていた。

このスイスの保育園と今の幼稚園はギャップがかなり大きい。





そして今日は幼稚園の保護者会があった。
子供たちがいないと女性の先生たちの声のトーンは一気に落ち着いた。


そして担任の先生は私のところに来て言った。

「タオルは毎日持ち帰って洗ってきてください」


入園式の日にタオルを持って行き、その日は使わなかったのでそのまま置いてきた。
使ってないから持ち帰って洗わなくていいと思ったんです。
と喉まで出かかったが、いちいち突っかかるのも面倒だし何も言わなかったけど、
先生は融通きかない感じでこの先が心配。



子供に媚びても親には媚びない。
それが彼女のスタイル。
 


いや、まだ2、3回しか話していない人に先入観を持ってはいけない。

最初の印象が良すぎない方があとからその人のいいところが見えてきてどんどん好きになるってパターンもある。


何より息子もすでに慕っていそうな雰囲気。


きっと優しい先生なんだよね。


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はじまっちゃったよーちえん

ついにこの日が来ちゃったよ。

幼稚園に入園してしまった。



もう初日から呼び出し喰らったぜYeah。

提出書類に不備がありましたとさ。


とほほ。



これ以上ダメ母エピソードが増えないように気合入れていかないと。




ミスっといて文句言うのって一番ダサいんだけどさ。

ダサいこと承知で言わせていただきたい。



日本って本当に字を書きすぎ。
紙が多すぎ。


保険証のコピーを貼れって書いてあるから貼ってるのに、コピー見ればわかる保険証の記号とかわざわざ同じ紙に手書きで記入しないといけないのは何故ですか。







WHY JAPANESE PEOPLE ?












コピーか書くのかどっちかじゃダメなの?

誰か教えてください。
ジェイソンさんはネタにしてくれなさそうだから。

いや、彼だって絶対こんな効率悪いことだらけな日本に疑問を抱いているはず。




保育園の申請と幼稚園に入園するためにもう名前と住所と電話番号と何度書いたことか。


世のお母さんたちは何とも思ってないのだろうか。


同じ書類上に重複する情報が多いのにその都度書かなければいけない。


家族構成の親の欄に私と旦那の名前と電話番号書いて、
送り迎えをする人のところにまた私と旦那の名前と電話番号。
それぞれの記入欄は5センチも離れてないし、電話番号は両方に書かなくていいんじゃとか思ってしまう。

でも書かないときっと呼び出されるから書く。




どうやったらこの一生書類に名前を書かされ続ける社会から開放されるんだろう。

主婦たちの貴重な時間を奪い取る、これはもう立派な社会問題なのではないだろうか。


社会を変えるために我々素人でも出来ることといったら署名運動だ。



いや待てよ。
名前書きたくない主婦を捕まえて名前書けっていうの?


ダメだこりゃ。


山田くん、座布団全部もってっちゃって~。

イタリア人の見分け方

今日も義理の両親と都内観光。

ビル群と見事な庭園が不思議と調和する東京の象徴的な場所、浜離宮を訪れる。


天気は晴れたり曇ったり。
私は写真で遊んでみたり。

ひっくり返したやつ。




ポンポン咲いてる桜もかわいい。



ここから水上バスに乗り浅草まで移動する。




仲見世通りはいつものように観光客でごった返している。

ここの外国人率って何パーセントなんだろう。

そんなことをぼんやり考えながら、今回は久しぶりに浅草寺の中まで入ってみた。

するとそこには一際目立つ西洋人男性のグループが。
5、6人いただろうか。
彼らのほとんどは黒髪で短髪、綺麗にヒゲを整えている。
そして彼らが目立った原因かと思われるのが、その中の1人が鮮やかな色の花柄のジャンパーを着ていたこと。


「イタリア人だ」


うちの旦那が言う。

話す言葉も聞こえないのに迷いなく断言したので、なぜそんなことが分かるのかと聞いた。
私はオシャレしているからゲイなのかと思った。
オシャレな男性を見るととりあえずゲイかなと思ってしまう人、私以外にいませんか。




うーん。


言われてみれば見えなくも無いが、私のイタリア人の定義はシャツのボタンを3つ開けてることだからこの人たちには当てはまらない。
みんなジャンパー脱いだら実は中に着てるシャツのボタン開けてるのかな。


「イタリア人ってわかるよ〜。
なんか、興味あるのにあんまり無さそうなフリして見学してるとことかぁ。
あと歩き方とかぁ。」


え、そんな細かいことがイタリア人の特徴なの?
歩き方で国民性出るのは日本の内また歩きの女の子だけかと思っていたよ。
(ちなみにこれヨーロッパで非常に評判悪いみたい。)


真相が気になった私は彼らに近づいていった。
話していたのはイタリア語だった。


旦那、大正解。
すごいじゃん。


普段はあまり彼を褒めることのない私。
思わず感心してしまった。



私たちがまだスイスに住んでいたころ、アジア人を見るたびに旦那と国当てクイズをしていた。
アジア人と言っても東南アジアではなく顔つきが似ているご近所の日韓中。
ヨーロッパ人はよく、アジア人で茶髪なら日本人と見分けているらしい。


私の偏見では、若い女性ならファッションにやたら気を使っていそうなら日本人、黒髪ロングでバッチリメイクは韓国人、中国人は着るものに無頓着パターンか、逆にブランド志向と思っていた。


でも今回スイスに住んで、とてもスタイリッシュな中国人もたくさん見たし、ナチュラルメイクで美しい韓国人とも知り合った。
そしてやっぱりブランド品に身を固めた金持ちそうな中国人も山ほど見た。
そしてお尻に穴があきそうなジーンズを履いてスイスの街を闊歩していたみすぼらしい日本人がここにいる。




人の性格は国籍によって決まるわけではない。
◯◯人はこうだとか、国のくくりで人を見るのは好きではないとか私もカッコつけて言ったりするし。
実際、同じ国の人でもいろいろなタイプの人がいるのも知っている。
でもやっぱりなーんとなく国民性ってあるでしょう。


人からプレゼントをもらったら、大抵の日本人ならどんなに興味ないものもらっても、目ん玉飛び出るくらいダサいものもらっても、とりあえず相手に作り笑顔で「ありがとう」と言うと思うんだけどね。
よっぽど近い関係なら話は別だが。



フランスに住む義理の姉にお菓子をプレゼントしたときの彼女の一言。

「ありがとう。でもこれ私は全然好きじゃないから私の彼氏にあげるね」


ちょっと面食らった。
いや、かなり食らった。
え、ええー!言い方ダイレクトーー!
オブラートに包むとかもないんだね。
てか別にその報告いらなくね?
って思ったけど、彼女からしてみれば逆に私を家族だと思っているから正直に言うのよ。
ってことなのかな。
ちなみに義理姉さんとはしょっちゅうは会わないけど会えば仲良し。
実は嫌われてたとかじゃないといいんだけど。
こわいこわい。


こんなとこからもフランスは個人主義というのが垣間見えますね。
一人一人好きなものが違って当たり前ですもん。



スイスでも、プレゼントをもらうと大抵お店で商品が交換できるカードが同梱されている。
服ならサイズが合わなければ交換してね。
本なら既に持っていたら他のに交換してね。
ってことだとは思うが、好きじゃなければ他の商品と交換ってのもできるはず。



ほら、やっぱり国によってこんなにルールも常識も違うんだから、人の性格も育った環境に応じて変わるのは自然なことでしょう。


イタリア人だって、お父ちゃんがシャツのボタン開けてるのがカッコイイと思いながら育つから大きくなって胸元見せちゃうんでしょうね。


ゆずれない。

小金井公園で息子たちの将来が心配になる

遅咲きの桜を見ようと家族や友人と小金井公園へ行くことに。

行きの電車の中で隣に歳の離れた女性二人組が座った。
どうやら親子のようで、娘さんが私と同年代くらい。

「かぁわいい〜‼︎ あ、笑ったぁ〜‼︎」

「本当にかわいいですねぇ〜!お人形さんみたーい♡」

キューピー似の次男を惜しげもなく賞賛してくれた。
今日は夫婦揃って外出していたし、次男を抱っこしていたのが旦那だったので、ハーフであることは誰の目にも明らかであった。

私が1人で息子を連れているときは、

(この子、本当にこの女性の子かしら。
彼女はベビーシッターなのかもしれない。)

そう思う人だっているだろう。




小金井公園に到着。

ソメイヨシノは全て散ってしまったが、鮮やかなピンクや真っ白な八重桜のような花が満開。
人もまばらなのでゆったりお花見ピクニックが楽しめる。

そしてお腹がふくれてきた子供たちは遊びたくなってきた。
まだ心は少年なうちの旦那の他に数人の大人が付き添って広場のほうへ行ってしまった。



残ったのはケツの重い私と、私に付き合ってくれた姉と友人の女3人。
そしてキューピー。

ビールを飲みながら談笑していると、友人が何かに気づいた。

「ねぇ、なんかあっちの人たちがキューピーのこと見てるんじゃない?」

振り返ってそちらを見ると、さっきまで酔っぱらって楽しそうに盛り上がっていた中年の男女のグループが確かにこちらを見ている。
特に女性はトロける笑顔を浮かべながら。

「本当だ、見てるねぇ。じゃあせっかくだしサービスしようか」

ほろ酔いの私は調子に乗って、キューピーの両手を取り操り人形のように動かした。
ミッキーマウスみたいに激しくバイバイと手を振らせてみた。

女性陣には黄色い声をいただいたが、周りの男性たちは笑っていない。
この3人のどれからこのお目々クリクリが出てきたのか私たちの顔を見定めているように見えた。

キューピーの手を取っている女は3人の中でダントツ目が細かった。


こんなに周りにチヤホヤされながら育ったら、将来は自信過剰で性格の悪い子に育つのではないか。
ふと不安がよぎる。

でもかわいい赤ちゃんが成長するに従ってかわいくなくなるなんてよくある話だ。

「子供のころはかわいかったのにねぇ〜」

そう言われ続けて逆に自己評価の低い子に育ってしまっても問題である。

まだ髪も生えないので不安はつのる。



一方で絶賛イヤイヤ中の長男はもう話が通じるので、ますます自分の子育てで大丈夫なのか不安。

今この瞬間の自分の言動のひとつひとつが彼の人格形成を左右しているのかもと思うと、もう。
あたし何も話せない。
でもそんな訳にいかない。


とりあえず今から親子の信頼関係を築くことに努めておいて損はないと信じている。

思春期になる前に、『ママはいつでもあなたのそばにいて話を聞くよスタンス』を確立する作戦だ。

だから食事中だろうが排便の報告を受ければ嬉しい顔でどんなのが出たのか見に行くことから始めている。

毎回代わり映えしないそれに「うわーおっきぃ〜」だの「今日のは長いね〜!すごーい!」だの歓声をあげる。
彼も満足そうだ。


あたし間違えてないよね、うん。





電車で出会った優しい人々

最近は電車に乗ると、よく人に声を掛けられる。

alpestakao.hatenablog.com


2人の子供を連れた母親。
暴れる茶髪の幼児と母親のお腹にくっついた髪の薄いキューピー似の乳児。

そして当の母親はというと、そんなに暑くもないのに暴れ回る長男のせいで変な汗をかき額はテカテカ。
かいた汗のせいで頭の周りは湿度が上がり、くせ毛は勢いを増す。
そして産後に抜け落ちた毛が一気に再生し生まれたアホ毛たちが、くせ毛をさらに持ち上げ頭は見事に巨大化している。
背中にはパンパンに膨らんだリュックサック。

こんなみすぼらしい姿が同情を買うのか、電車でよく席を譲ってもらったり、優しい声をかけていただいたりする。





今日、電車の中で会った人々。


武蔵野線

私たちは文庫本を読む40代くらいの女性とゲームする若者の間に座る。

まだ午前中だったが長男は眠くなってしまったのか駄々コネ気味。
座席の上に靴を脱いで座り、窓の方をむいたり前を向いて正座したり何度も体勢を変えるので、そのたびに長男の隣に座り本を読む女性に足がぶつかりそうになり何度も謝る。
前には同じく40代くらいの女性が立っている。
落ち着かない長男に手こずっていると、お腹の次男も暴れ始める。
泣くまではいかないが、ご機嫌斜めでギャーギャーいいはじめ、抱っこ紐から脱出せんと海老反っている。

隣の女性はもう本に集中できない様子で顔がこちらの様子を伺うような角度に何度も動くのが視界に入り、気まずく申し訳なく思うが子供たちはそれぞれ駄々をコネ続けた。

とりあえず抱っこ紐から次男が落ちるのを回避しなければ。
暑がって暴れているのかもと思い上着を脱がせてみるが収まらない。
すると目の前に立っていた女性が話しかけてきた。

「スタイ(よだれかけ)も取ってあげたらどうでしょうか?靴下も脱がせてもいいかもしれませんよ。」

すぐさまアドバイスに従いスタイを外した。
すると魔法にかかったように次男が泣き止んだ。

「どうもありがとうございます!」

礼を言うと彼女自身は子供たちの手がやっと離れてきて、子育てが一段落したところだと教えてくれた。
隣で小説を読んでいた女性にも騒がしくしたことを謝ろうと恐る恐る彼女の方を見る。

「騒がしくしてすいません」という私に
「いえいえ~」と笑顔で首を横に振ってくれた。

女性2人の対応にすっかり心温まった私。
降りるタイミングだったのでせめてものお詫びにと長男にちゃんと挨拶をするよう促すと、
「バイバーイ!!サヨヤナ~」と言いながらぐにゃぐにゃ体をねじらせた。
恥ずかしいお別れとなった。



埼京線

まだ帰宅ラッシュまで時間があるのにそこそこ席が埋まっていた埼京線車内。
席を探しながらさまよっていると、我々を見るなり立ち上がろうとしてくれる何人かの人の姿が視界に入る。中には年配の女性まで。
視線の先にある優先席が空いているのが見えたので礼を言って他の席に座ることを伝える。

優先席は3席。
既に3歳くらいの女の子とその母親が座っていた。
長男を空いている席に座らせると、そこは背もたれのところに窓が無い場所だったので外が見えないと文句を言い始める。
すると隣に座っていた母親が立ち上がり長男に「こっちに座っていいよ」と言い、私にも「どうぞ座ってください」と席を譲ってくれた。

その後、長男は隣に同年代のかわいこちゃんが座っているのが恥ずかしかったのか、私の背中の後ろに入り込んできて結局1人分の席にニホンザルの親子の塊のようになって3人で座った。

電車を降りるかわいこちゃんを見送るときだけは姿勢正しく座って模範的なバイバイをした。



中央線

私たちが座っていると長男の隣に年配の男性が座ってきた。
座席に斜めに座ったり立ち上がろうとしたりする長男に、元気だね~と話しかけた。

男性はこの髪を膨らませた小汚い母親に、何を思ったか彼の身の上話をしてくださった。

九州から19歳のときに上京してきたこと。
その頃は今ではデパートや駅ビルが立ち並ぶ立川にも何もなかったこと。
石原慎太郎と同い年であること。
同い年で認知症の奥様の在宅介護をされていて、奥様が週2日のデイサービスを利用しているときに電車に乗って買い物に出かけること。

医者も奥様を介護施設に入れることを勧めるが、自分が元気な限り在宅介護をしていきたいと言う。

「ずっと一緒に生活してきたからね~」

そう言って窓の外を見つめる男性。

認知症の介護がどれほど過酷かは、認知症だったが数年前に他界した私の祖母を見ていたので少し想像できる。
そして実際はその想像を絶するに違いないのだ。

認知症になっても一緒にいたいと思われている奥様。
こんな美談はドラマにしたって胡散臭いと叩かれそうだよ。




今日は東京で人々の優しさに触れた。

スイスにいたころ東京に子連れで引っ越すのが不安でたまらなかったことを思い出す。
ネット上には都会の人は子連れに冷たいという情報ばかりがはびこっている気がした。



ところで私、埼京線に監視カメラが設置されてるって今日初めて知ったんです。



都会はやっぱり怖いね。
頭でかい主婦には関係ない話だけど。